本大会の大会長講演と次回大会(第4回大会)のご案内があります。
日本社会事業大学社会福祉学部
下垣 光
老年臨床心理における尊厳の保持と自己決定の尊重
~認知症ケアにおける課題と環境整備による支援の視点から~
80年代までに原因疾患の治療が困難な中で行動抑制や抗精神病薬の投与などが大きな比重を占めている中で、心理的理解とそれにもとづくケアが提唱されてきた。90年代に入る中で。認知症(痴呆)を軸にした視点から、あたりまえの生活の質を維持し、残されている、有する能力を活かすケアが強調されることとなった。これらの視点を背景に介護保険制度によるケアは、尊厳の保持をケアの基本におくものとなってきた。認知症ケアにおける臨床心理は、ケアにおける尊厳の保持とつながることが求められている。
介護保険制度において認知症ケアにおける生活の質を向上につながる環境整備は、大きな比重を占めることとなり、尊厳の保持においてもユニットケア、多床室から個室、グループホームの整備などが急速にすすむこととなった。どのような環境が認知症ケアを効果的にすすめるのか、認知症ケアに効果的に進める環境を活かした支援について述べる。
東北福祉大学
認知症介護研究・研修仙台センター
加藤 伸司